広東省の話。続き。

深圳出張ついでに、深圳上海市内の道路脇でよく見かけるニューススタンドにて、記念に数週間前までニュースを賑わせていた南方週末を購入しようとする。
陳列された新聞、雑誌の中になかなかお目当ての南方週末が見当たらない。店のおばちゃんに『南方週末あるか?』と訪ねてみると、売り切れとの回答をもらった。
ついでに、『一連の抗議パフォーマンスの後、売れ行きがよくなったから売り切れたの?』と訪ねると。そんな事ない、今日はたまたま無いだけ。との事。
抗議当初は一瞬、普段はこの南方週末を購入しない人も興味本位や冷やかしで買ってたりしたので、まぁまぁ売れたらしい。

このおばちゃんに『なんでまた南保週末買うの?ほかの新聞買ってけよ。』と言われ、ぼくもたまたま深圳に出張しているから冷やかしで購入したかった旨を伝えると。
『あんなの無意味なパフォーマンスして、注目集め部数を部数を伸ばそうとしているだけよ。くだらない。』と辛口コメントを残していた。



またまた、深圳の油画村の話

友人のMr. Chim氏から早くオフィスに帰ってこい。と電話をもらったので足早に油画村の中心部から駐車場へ移動していた際に、無意味に立体的な毛沢東の絵を見つけ、吸い込まれるように店の中へ。店の中には少し高齢の女店主、そして恐らく孫と思われる、大体5〜6歳の女の子がショボいおもちゃで遊んでいた。

このポスターを近くで見るとそれは、3Dのポスターである事がわかった。なかなか滑稽なタタズマイ。
その隣には、角度によってポスターの人物が変わっていく3Dポスターもあるじゃないか。しかも

毛沢東訒小平江沢民

とオールスターな選抜具合。迷わず(安いからとりあえず)3Dポスターを3枚購入し、少し高齢の女店主にお金を支払う。
女店主はぼくに『なんであんたみたいな若い兄ちゃんが毛主席のポスターなんて買うの?』と訪ねられ『毛主席は私たちの先生だろ?』と即答。
そして、隣でショボいおもちゃで遊ぶのを止めた少女がぼくの買ったポスターをまじまじと見ていた。
ぼくが『この人誰だかわかるか?』とこの少女に尋ねると少女は

『・・・人民元
とパーフェクトな回答を放ったのであった。
※中国へ行った事のある方はご存知かと思いますが、2001年頃がら徐々に人民元の紙幣のデザインが全て毛沢東へ変更されていて、今ではほとんど流通する紙幣のデザインが毛沢東であり、恐らくこの少女は毛沢東以外の紙幣デザインを観たことが無いと思われる。

このエピソードをMr.Chim氏に話すと中国には

”前世代の人は毛沢東を愛し、今の世代の人間も毛沢東人民元)を愛している。”
という皮肉を込めた言葉があると言っていた。

あの時の少女はこの皮肉を込めた笑い話を知っていたのだろうか?