尖閣あげるから中にいれて

北京時代の戦友のJordinから
『今日上海で一泊するのであれば、今夜の香港の友達がデザインする洋服ブランドのローンチ記念パーティに来ない?』
と連絡を受け、ぼくの座右の銘の一つである『パーティは断らない』が発動し急遽、同僚のおきゃんぴーと一緒に外灘(バンド)にある会場へ向かった。

パーティ会場が入っている外灘ならではの古く恰好のいい建築物の前でとりあえず、ドレスコードの有無が頭を過るが主催者側がレセプションにぼくとおきゃんぴーの名前を伝えておくと言っていたので、そんなに臆することなくパーティが執り行われる厳格で堂々としたタタズマイの建築物の中へはいる。

何となく、雰囲気で感じていたが建物の1-2階は高級ラグジュアリーブランドのテナントで埋め尽くされ、今朝面倒で髭を剃らなかった事を後ろめたく感じさせる程の、キリリとした雰囲気であった。

張り切って5分前行動で行こうぜ!
と決めて、フライング気味に会場のレセプションを通過…しようとしたら、受付嬢が英語で『誰ですか?ゲストリストに名前は?』と聞いてきた。案の定、リストに在るはずの名前が無くぼくらを誘った友達を待つことにしました。
そして、レセプションを去ろうとした時衝撃の事実を告げれれる。

受付嬢『貴方たちのその格好、恐らく入ること出来ないわ。』
ぼくら『OK, Cool ! (^_-)』
条件反射で何故か受付嬢にウインクかまして逃げるようにエレベーターへ逃げ込んだ。



この日のぼくらの装いは次の通り

ぼく: 可愛い七分袖のT-Shirt、キャンプ場からの帰りと勘違いされても仕方が無い半ズボン、そして小綺麗だけど見た目がそのまんまのバッシュなバッシュ。

おきゃんぴ: クタクタなデニムシャツ、 そして同じくクタクタでクラッシックなパターンを再現した大きめのデニム、そして蛍光色が眩しいAIRMAX。



逃げ込もうとしたエレベーター前で二人でやっぱり駄目だったね。と屈辱感と自嘲的な笑いでいっぱいになる。事の一部始終を見ていたと思われるオシャレ中国青年がぼくらの乗るエレベーターへ乗り込んできて、『これあげるからパーティ会場にもう一回乗り込め!何がドレスコードだつまらん!エンジョイしようぜ!』と2人分のVIPゲストインビテーションをぼくらに渡してきた。
恐らく彼はこのパーティの主催者側の人間だ。何となくラッキー!!

とりあえず、この大きなカード&主催者側デザイナーのプッシュがあれば問題ないとたかをくくりJordinとその友達を待つとにした。
数十分後、Jordinらが到着し事情を説明する。然しながら、説明している最中にかなり重要な情報を目の当たりにする。なんとVIPインビテーションにも

ドレスコード: no t-shirt, no denims, no snneker
の文字が力強くこれまた堂々としたタタズマイで明記されているのだ。

そして、jordinがぼくらを見て一言
『あんた(ぼく)はダメだけど、おきゃんぴーはイケるかもね。。。』と。

そうして、もう一度レセプションへ挑むことに。
今回はちょっとした作戦を考え並ぶ順番を

Jordin-おきゃんぴ-jordinの友達-ぼく

でレセプションを通過することにした、が、あっさり身体の大きいボーイ風外人に『you(おきゃんぴー) and you(ぼく) do not enter please. 』と指差しピンポイントで指摘され、すかさずVIPゲストインビテーションを翳すも効力は皆無。。。

そして、大勢人で溢れかえるレセプションでテンション上がっているせいなのか、突発的にぼくが英語で受付嬢に


『わかった!尖閣諸島あげるからさ!中に入れてくんない( ´ ▽ ` )ノ』

と冗談を呟いてしまった。


英語で発言したせいなのか、聴き取れている人間は少ないだろう。しかし半径2メートル以内の数人の冷たい目線を感じた。そしてJordinが僕に振り返り
『この時期に、この場に及んで、この発言は…』と久しぶりに渋い顔(´・_・`)を見せながら、頭をパチンと叩いたヽ(´o`;。

帰りのタクシーの中、半ば良い思いでになると大笑いしながら帰った。そして後部座席の窓から外灘の湿った風に吹かれながら、やっぱりデリカシーのない発言は気をつけなければいけんませんね。と思いました。(´・_・`)k

どんな田舎に行こうとも、次回からは革靴とジャケットとシャツは持ち歩こうと新たなジェントルマンの心得を胸に刻んだのでした。