パーティでの出来事、深センにて。

深センにいます。
昨晩、深センで少人数のパーティに参加しました。
全員デザイン関係。北京の大学の先輩がいたり、日本や海外に留学経験のある人たちばかりだった。

以前、作家の佐藤優氏が海外のインテリと話をする時、村上春樹の話題はよく話に出るといっていた。
それを聞いて、小説をあまり読まないぼくも、村上春樹の新作が出る度に彼の作品を読むようになった。
実際、ある程度教養がある人と話しをする際に、村上春樹作品の話題は高い確率で話に出る。相手と親密になるきっかけと潤滑油の役割を村上春樹の作品は担っているのだ。


昨日のパーティでは村上春樹作品以外にも、日本の文化を贔屓している人たちが多く、平家物語の話から、SUBARU(中国でコアな層に人気)のレース活動の今後、満州国中国東北部に残した、文化的な生活や、美術品まで話題にのぼった。
※いきなり中国語で「祇園精舎の鐘の声……」と言われた時には、何の事だかさっぱりわからなかった。ぼくは日本史の教養が全く無いので、平安貴族の没落具合がどんなに侘しいものかを話されても、イマイチ理解できなかった。無念。


その中の一人が、あくまで日本に一度も行ったことがないけど。と断った上で日本との出会いについて語り出した。

彼は70年代生まれの社会的に成功を収めたちょっとイケてる中年グラフィックデザイナー。

はじめは、日本人は残酷でイカれている民族と信じていたので、どうやったら同じ人間がここまで鬼畜になれるのか?を知りたいがために、日本史を勉強したり、大陸では手に入れることのできないような日本視点の歴史を調べたり、日本の和歌、純文学からSF小説まで読んだりしたそうだ。

彼曰く、日本を知れば知るほど日本人が人類史上もっとも残酷で凶悪とは到底思えない。今こうやって話しをしている、日本人のあなたが中国で一般的に語られる残忍な日本人と同じ民族とは到底思えない。そう感じるそうだ。しかし、ここまで自発的に日本の事を知ろうとする中国人は稀だ。

国家間の信頼関係の構築は、トップだけがやるのではなく官民問わず、文化交流やビジネスでの交流などの小さく細い毛細血管のような人と人との繋がりの束が国家間の信頼関係を築いていくものだと。ただ、なんとなく、なんだけど、少し胸が熱くなった。


※漫画太郎の作品が中国で圧倒的に出回ると、日本人はやっぱり人類史上最もサイテーじゃねえか!ってなるのかな?!